終活なんておやめなさい

2014年10月6日|[ブログ, 新着ニュース]

syukatsu

◎遺言は一切残すな
◎葬儀は思案無用
◎お墓はなくてもいい
◎孤独死なんておそれなくていい・・・

 

少々過激なキャチコピーが気になる本があります。
青春出版社から発売された「終活なんておやめなさい」です。
著者は、ひろさちや氏。
仏教専門家は巻頭でこう記しています。

 

>いま、世間では、「終活」という名の死の準備がすすめられています。
>それは、死後の心配ばかりをしているのです。
>死後のことばかり考えて、いま現実をないがしろにしています。
>馬鹿らしいと思いませんか?!

著者は、77歳になり「死」を身近に感じるようになったそうです
常に、お釈迦様の教えを基本に生きて来たことから、
死後について、その教えにふれています。

—死後についてはいっさい考えるな—

・・・なのだそうです。

そうは言っても、凡人であれば
極楽や地獄といった死後の世界を想像してしまいます。

しかしそれは、便宜的な方便の教えであり、
死後の世界についていっさい考えない訓練が必要だというのです。
だから、自分の死んだ後のことはいっさい考えず、
いまここで生きている、その「生」をしっかりと生きる。
それが、お釈迦様の教えだと言うのです・・・。
確かに、
「迷惑かけたくない」
「立派な人だったと思われたい」と考えたとたん
実は欲が出てしまうのが人間です。

大切なことは、
遺産相続や遺言や戒名など、死後の自分にまで欲張らずに、
いま、家族と一緒に楽しい時間を過ごすこと。
いま、「ありがとう」の感謝の気持ちを
生きているうちに伝えることが重要なのではないか・・・

やみくもに「終活」を否定するのではなく、
「死」と真に向き合うと感じる「生」だからやるべきこと、
新しい「死」への心構えを教えてくれる一冊でした。

 

終活なんておやめなさい
著者:ひろさちや
発行:青春出版社
定価:本体920円+税

ひろさちやプロフィール

1936年生まれ。
1960年東京大学文学部印度哲学科卒。
1965年東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専門課程博士後期課程修了。
気象大学校講師、気象大学校教授。
1985年気象大学校退職。
大正大学客員教授。自称、仏教原理主義者。

著書(500点以上)
* 釈迦と十大弟子(法藏館)
* 個人主義仏教のすすめ(世界聖典刊行協会)
* 死の世界・死後の世界(池田書店)
* お経の世界(中山書房仏書林)
* 仏教入門(池田書店、1987年)
* 「まんだら人生 上・下」(新潮文庫)
* 「ひろさちやの般若心経88講」(新潮社)
* 「仏教の歴史」(全10巻=春秋社)
* 「愛の研究」(新潮社)
* 「ポケット般若心経」(講談社)
* お釈迦さまが説いた、「おかね」って何だ?!(毎日新聞社)
* 終活なんておやめなさい(青春出版社)

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